LOH症候群について
加齢に伴いテストステロン値が低下することによる症候を late onset hypogonadism (LOH症候群、加齢性腺機能低下症)と呼びます。 働き盛りの40代から50代、そして定年退職を迎える60代前後の男性に体の異常を自覚し、精神的な不調があらわれるようになります。その発症や程度には個人差があり、70代あるいは80代になって症状が顕著になる方もおられます。
LOH症候群(男性更年期)は、うつ、性機能低下、認知機能の低下、骨粗鬆症、心血管疾患、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性の悪化、HDLの低下、コレステロール値とLDLの上昇に寄与し、メタボリック症候群のリスクファクターになります。また心血管疾患、糖尿病、呼吸器疾患のリスクを高めます。
また、LOH症候群(男性更年期)の認知度はまだまだ認知度の低い病気です。人によって出てくる症状はさまざまですが、下記のLOH症候群の症状に当てはまる方は、当院にご相談ください。
LOH症候群の症状
精神症状 | 身体症状 |
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健康観の減少 | 筋力低下、筋肉痛 |
不安 | 疲労感 |
いらいら | ほてり、発汗 |
うつ | 頭痛、めまい、耳鳴り |
不眠 | 性機能低下 |
集中力の低下 | 頻尿 |
記憶力の低下 | |
性欲の減少 |
当院でのLOH症候群の治療について
当院ではLOH症候群に対して、テストステロン療法を行っております。
テストステロン療法の流れ
検査
- 医師による問診
- 検尿、血液、生化学検査
- テストステロン、LH (黄体ホルモン)、プロラクチン、エストラジオール(E2)など採血によるホルモン学的な内分泌検査(※午前中に測定)
治療
不足している男性ホルモンを注射により補充し、症状や機能を改善していきます。
表は、テストステロン補充療法によって改善がみられる自覚症状です。自律神経に関連する症状が主で、同時に複数の症状がみられるのが特徴です。
テストステロン補充療法により改善する自覚症状 | |
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ふらつく | 尿のことが気になる |
眠りが浅い | イライラする |
夜トイレにおきる | 記憶力が低下している |
朝が起きづらい | 何をするのもおっくうである |
朝の勃起がみられない | 首筋から肩の凝りがある |
手足が冷たい | 筋力が低下した |
ほてる・発汗する | 耳鳴りが持続する |
疲れやすい | 頭痛の発作がおきる |